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ブログリレー ~荻川ほのぼの保育園~
2025.06.30
法人本部
「世代間交流 多様な人たちと関わることで得られるもの」
今月ブログを担当いたします、荻川ほのぼの保育園の坂井と申します。
当園は特別養護老人ホームと保育園が併設している施設になります。
保護者の方は早い時期から「保活(保育園探し)」を行われています。お子さんの入園先を熱心に見学され
実際に目で見て、説明を受けて入園に向けた情報として活動されています。そういった活動が年々早くな
っている印象を受けていますが、当園のアピールポイントとして「併設施設」であることを第一にお伝え
しています。
「併設」とお伝えしても、実際のところイメージがわかない印象を受けます。
「併設する」という意味は「いっしょに設置・設備すること」という意味があります。
実際に施設をご案内し、目の当たりにすると見学者の方々の表情が一気に晴れやかになります。
「(併設しているということ)そういうことなんですね」
「いいですね。このような環境(いつでも高齢者の方とふれあうことができる)があるというのは」
「なかなか高齢者の方とふれあうことができないので体験できることはうらやましい」
「介護職です。日常的に子どもたちの声や姿を見ることができるのは双方にとっていい環境ですよね」
皆さんの表情が緩む瞬間は「高齢者と園児の交流する場所、様子」を実際に見たとき、納得された表情を
見ることができます。
時代とともに、希薄になりつつある人と人とのつながり。
しかし、当法人では園児と高齢者が日常生活をともにし、日常的な関わりができること。また世代を超え
た関わりができ、多様な人たちとの交流ができることが、何より人を成長させ、豊かな心を育んでいく。
そして、一人ひとりの「生きる力」を考える場所でもあると感じています。
世代間交流によって、高齢者と子どもが受けるそれぞれのメリットについて考えてみましょう。
【高齢者が受けるメリット】
・子どもの面倒をみることで生きがいを感じる
・子どもに持っている知識を伝えることで新しい役割を見つけられる
・脳の活性化につながる
少子高齢化に伴い、高齢者は子どもとふれあう機会が減っています。高齢で足腰が弱くなり「やっても
らうこと」の方が多くなり、「与える」ことが少なくなりがちです。
世代間交流をすると、高齢者はその豊富な知識を子どもたちに教えてくれます。
人に何かをする(与える)ことは、生きがいにも繫がるので、高齢者にとって活力になると思います。
【子どもが受けるメリット】
・いたわりの心が生まれる
・高齢者から知識を学べる
・礼儀や節度を学べる
子どもは世代間交流を通して、普段ふれあう機会のない高齢者と交流をすることができます。
高齢者の中には、歩けない人や耳が聞こえにくい人もいます。
そういった人と関わるにはどうしたらよいのか、いたわりの心を学ぶことができます。
高齢者が自然に身につけている丁寧な言葉遣いや礼儀作法等、様々なことを高齢者から学ぶことは
たくさんあると思います。
今「看取り」の入居者様に、毎日子どもたちと一緒に会いにいっています。
お部屋にあいさつをしながらお邪魔すると、手招きをして迎えてくれます。
握手をしたり、ベットの横に座りお話をしたり、年齢によってはベットの周りをウロウロしてしまったり
様々な様子で「あいさつ」にいっています。ユニットのリビングにいらっしゃる入居者様も嬉しそうに
手を伸ばし、声をかけてくれるので子どもたちも行ったり来たりしています。
明日への希望が持てるように、楽しみに思ってもらえるようにという願いを込めて「言葉選び」も大切に
しています。
何かできることはないか。と考えて行ったことではありますが、介護職員の方からも子どもたちの様子や
ご本人の体調や様子を見て感じることも多くあるようで、
「どうもありがとう」
「すごく元気がでたみたいだよ」
「みんなが来てくれて嬉しいって」
子どもたちが何気なく行っていることを言葉にして伝えてくれます。
改めて言葉として気持ちを伝えられると、子どもたちも考え、感じることができるようになります。
行動を認められたことに繋がり、自信となり自己肯定感を高めていくことができると思います。
「相手を喜ばせているんだ」
「ありがとうって言われた!嬉しい」
「また行きたい」
保育士以外の大人から、認められることができる環境にあることは何よりも大きな力であり、みんなで
子どもたちの健やかな成長を願っていることを感じることができる瞬間でもあります。
子どもたちには多くの人と関わり、様々な人がいることを知ってもらいたいと思っています。
様々な人と関わることが日常的にできる環境であると「人に対して人懐っこく、自主的な関わりを行う
ことができる」ように感じます。
「相手を思い、相手のためにと考えられる心」をしっかりと育んでいくことで、人と関わることに意欲を
持ち、人との関わりを求め、期待をもてる人になるのではないでしょうか。
核家族化が進み、人と人との関わり方も変化してきている時代ではありますが、地域全体で周囲への興味
関心を高めていくことが必要になってきているのではないかと感じます。
大きな声で「あいさつ」をすること。
「あいさつ」を交わすことで、会話が生まれること。
季節の行事を一緒に楽しみ、味わうこと。
大勢で食事を一緒にすること。
そういった様々な「きっかけ」を作っていくことで、様々な人との交流や関わりを深め、喜びや楽しさを
感じ、自分自身や相手のことを大切に思う心が育っていくと思います。
私たち大人も、積極的に相手を知る行動と自分を知ってもらう行動を行っていきながら、人とのつながり
を大切に感じ合っていきたいですね。