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2026.01.26
法人本部
- 防災士が伝える「備蓄の考え方」と防災用品の選び方 -
こんにちは、防災士の清水です。
防災用品というと「非常時に使う特別なもの」と考えがちですが、普段まったく使わないまま保管していると、いざという時に使い方が分からず、十分に役立たないことがあります。防災用品は“持っていること”よりも、“使えること”が重要です。
また、「防災士監修」と書かれた市販の防災セットが、必ずしもすべての人にとって最適とは限りません。生活環境、家族構成、年齢、健康状態によって必要な備えは大きく異なるからです。
既存のセットをそのまま購入して安心するのではなく、自分たちの暮らしに合ったものを選び、整えていくことが本当の備えにつながります。
■「自分で選ぶ」ことが備えを機能させる
防災用品を一つひとつ自分で選ぶことには、大きな意味があります。
- 何を備えているか把握できる
- どこに保管しているか分かる
- 定期的な見直しにつながる
「備えたつもり」にならず、内容を理解し、使いこなせる状態を保つことが重要です。
必要なものを主体的に選ぶことが、実効性のある防災対策につながります。
■備える“タイミング”も重要
救急の日や過去に大きな災害があった日が近づくと、防災用品の需要が一気に高まり、人気商品が品切れになったり、納期が大幅に遅れることがあります。備えるなら「思い立った時すぐ」が基本です。
ローリングストックは、今や防災の常識といえますが、加えて意識したいのが、日常と非日常を区別しない「フェーズフリー」という考え方です。普段使っているものが、非常時にもそのまま使える状態をつくることが、継続しやすい備えにつながります。
■生活に合った備えが安心と尊厳を守る
「備え」で最も大切なのは、自分や大切な人の生活に合った選択を重ねていくことです。
例えば、非常用トイレ。 「普段は踏み台として使える」と謳っている商品もありますが、注目すべきは高さです。
一般的な便座の高さは約40cm前後で、公共施設のバリアフリートイレでは40~45cm程度が多く採用されています。一方で、非常用トイレの中には、それよりかなり低いものも存在します。
災害時のトイレは一度きりではなく、避難生活の中で繰り返し使う場所です。姿勢や立ち上がりやすさは、使い続けるうえで非常に重要なポイントになります。
特に高齢者や腰・膝に不安のある方にとって、便座の高さは体への負担に直結します。非常時であっても、できる限り普段に近い使い心地を確保することが、安心と尊厳ある生活を支えます。もちろん、ご家庭によっては「コンパクトさを重視したい」「安定性や耐久性を優先したい」など、重視するポイントは異なります。ぜひ、ご自身の暮らしや生活スタイルに合わせて選んでみてください。
■正解は一つではない ― 複数の選択肢を持つ
備えを考える際、
- 情報を途切れさせないことを重視する
- しっかり眠れる環境を優先する
- 寒さ・暑さへの対策を最優先する
など、人によって大切にしたいポイントは異なります。
また、準備していたものが使えなかった場合を想定し、一つの手段に頼らず、複数の選択肢を用意しておくことも重要です。これこそが、本当の意味での「備える」という考え方だといえます。
■防災グッズは100円均一で揃えていい?
最後に、「防災用品を100円均一店で揃えるのはアリか、ナシか」についてです。
私自身の考えは、
- 最初の備えや補完としては「アリ」
- それぞれの特性を理解した上で、適切に組み合わせることが大切
というスタンスです。
防災用品がまったくない状態であれば、まずは100円均一の商品を活用して基本的なものを揃え、手元に置き、実際に使ってみることに大きな意味があります。
「備える習慣をつくる」「使い方を確認する」という点では、非常に取り入れやすい選択肢です。
一方で、
- 電源の確保
- 通信手段
- 食料の備蓄
- 救助や避難に関わるアイテム
といった、長時間の使用や継続的な機能が求められるものについては、用途や想定期間に応じて、専用品や防災用として設計された製品を併せて準備しておくと、より安心につながります。
100円均一の商品と防災専用品は、どちらが良い・悪いではなく、役割の異なる防災アイテムです。
それぞれの特徴を理解し、上手に組み合わせることが、無理のない防災対策につながると考えています。
【おわりに】
防災は「一度揃えて終わり」ではありません。暮らしの変化に合わせて見直し、使いながら整えていくものです。
自分や家族の生活に合った備えを考え、選び、運用していくこと。その積み重ねが、いざという時の安心につながります。



